おにぎりはいつ食べてもおいしい
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各国におけるおにぎりの形態 - おにぎり
日本と同じ米作地帯である中国、台湾、韓国、タイの一部などでもおにぎりは作られる。しかし、中国や韓国では「飯はあたたかい状態で食べるもの」という意識が強く、おにぎり等の冷や飯というものに対し「下賤な者が食べる物」「やむを得ない場合の携行食」というイメージが強く根付いており、中国では「"飯糰"」(飯団子の意)、韓国では「こぶし飯」などと呼び、日常的に食べられることはまずなかった。中国福建省には「草包飯」(ツァオバオファン、cǎobāofàn)というおにぎりの一種があるが、これはご飯の中に肉、ソーセージ、椎茸などを具として入れ、これらを編んだ草の袋に詰め込んで携行するというもので、やはり日本人がイメージするものとはかなりの開きがある。また、タイでは通常おにぎりに不適なインディカ米を主食としているが、もち米を主食とする東北部では球状にまとめた米飯を草の葉に包んで携行するという習慣が伝統的に見られる。台湾では駅弁や寿司なども含め日本の食文化が広く知られていることもあり、おにぎりに対して下賤なイメージは以前程ない。現地で売られているおにぎりは日本のものとは異なり、もち米で作られている場合がある。具材も甘めの豚肉田麩や揚げパンなど、日本のものとは少々趣が異なる。四角状で通常の1.5倍程度の大きいものに人気がある。
日系企業のCVSが台湾や上海などに上陸し普及するようになると、現地で日本式のおにぎりが人気を博す。これを受けて、日本の米に近い品種の米を使ったおにぎりが現地工場で製造され販売されるようになった。
韓国では、日本のコンビニおにぎりを参考に1990年代初めにCVSで売り出されたが、発売当初は定着しなかった。しかし具をキムチ入りにしたり、海苔や精米の開発をするなどの創意工夫により、2000年代初頭から売れ始め、現在では「三角キムパプ」の名称でCVSのみならず、専門店もできるほどの人気食品となった。韓国でのCVSの売上に占める割合では、2006年度には40%以上にまで達したが、2007年度にはパン食志向に押されて30%台となった。
一方、ハワイや沖縄県では、スパム(ランチョンミート)を具としたおにぎりが「スパムむすび」「ポーク玉子おにぎり」(おにポー)などという名で販売されている。オーストラリアなどでも、おにぎりがファーストフードのメニューとして扱われているというケースもある。
日本のおにぎり - おにぎり
日本における歴史弥生時代後期の遺蹟であるチャノバタケ遺蹟(石川県鹿西町、現・中能登町)から、1987年12月におにぎりと思われる米粒の塊が炭化したものが出土している。この炭化米からは、人間の指によって握られた痕跡が発見されており、当初最古のおにぎりとして報道された。その後の研究では、炊かれて握られたものというよりは、おそらく蒸された後に焼かれたものとされ、ちまき(粽)に近いものとされている。また、北金目塚越遺蹟(神奈川県平塚市)からもおにぎり状に固まった炭化米が発見されている。
おにぎりの直接の起源は、平安時代の「頓食」(とんじき)という食べ物だと考えられている。この頃のおにぎりは楕円形をしていて、かなり大型(1合半)で、使われているのは蒸したもち米であった。
鎌倉時代の末期頃からはうるち米が使われるようになった。おにぎりと言えば海苔だが、板海苔が「浅草海苔」などの名で一般にも普及したのは元禄の頃よりで、栄養もあり、手にごはんがくっ付かない便利さも相まっておにぎりと海苔の関係が出来た。
現在のおにぎり
家庭で作られるおにぎりのほか、コンビニエンスストア(以下CVS)やスーパーマーケットなどの市場において販売されるおにぎりがある。
家庭で作られる物は、遠足での昼食など携行食という元来の考えに基づいた用途のほか、作り置きの昼食といったような形でも日常的に食べられる。弁当に入れられることも多い。形状も様々で、俗に「爆弾」と呼ばれる大きな球形に握り海苔を巻いたおにぎりもある。作り方によって保存性が変る。東日本地域では海苔は焼き海苔を巻いて風味を味わう傾向だが西日本地域では味付海苔を巻いて味わう傾向にある。これは、海苔文化が江戸時代に江戸中心から昆布文化が強い上方へ伝わった時の名残ともいわれている。
一方、CVSやスーパーマーケットなどで販売されるおにぎりは、その多くは食品製造工場の機械で大量生産されている。個別包装されているものと2個から数個がパック包装されているものとでは形態が異なり、個別包装のものは海苔を内部フィルムで本体であるご飯から隔離し、湿気から保護してある「手巻き海苔」タイプであることが多い。この保護フィルムは食べる時に簡単に手で抜き取れるよう工夫が凝らしてあり、いつでも巻きたての、パリパリとした海苔の食感が楽しめる。通常は短時間で消費される事を前提としており、保存方法も冷蔵指定で数日以内の消費期間が明記されている。
CVSが定着し始めた1980年代中頃、おにぎりの開封方法は各社で規格が異なり統一されていなかった。その後、上部の尖った部分のフィルムをひねって(あるいは切って)開け、中のフィルムシートを引っぱって出すパラシュート型と呼ばれるタイプが、シノブフーズにより発案、「ひっぱるだけのおにぎりQ」というキャッチフレーズで発売された。しばらくはこの方式も多く採用された。しかしこの場合、慣れない人は中のシートを引っ張りだす際に上の方だけを持ってしまい、米飯が中のフィルムに残る。そういった理由などから、現在では上部からカットテープのラインに沿ってフィルムを回して左右に分けて開けるセパレート型と呼ばれるタイプが主流となっている。しかしこのタイプでも、左右のフィルムの隅に海苔が破れて残ることも多く、また外装及び内装フィルムなどが散らかりゴミも増えることなどから、完全な解決策ではないという消費者の意見もある。そのため海苔が残らず破けないパラシュート型の復活を望む声も少なくない。なお、ローソンは2004年に「手巻四角型包装」と称する海苔をUの字に曲げただけのものを発売したが、かえって剥きにくいという声もある。
CVSやスーパーマーケットのお弁当コーナーを支える商品としておにぎりは重要視されており、特にCVSでは各社ともに熾烈なおにぎり新商品開発合戦・顧客獲得合戦を繰り広げている。
北海道や東北地方、沖縄県などでは、CVSでおにぎりを購入すると、店員から「温めますか?」と聞かれることがある。
また、おにぎりに特化したファーストフード的な販売店・外食店も存在する。
製法 - おにぎり
地方や家庭によって多様な方法があると思われるが、すぐ食べることを前提とした現在において最も一般的と考えられる方法を示す。1.ぬるま湯に浸して軽く水をきった手に塩を軽くまぶし、蒸らしたご飯を1個分のおにぎりに見合う量だけ取る。
2,まずは外側を軽く固める程度に握り、中央に具材を埋める。
3.3、4回に分けて回しながら均一に力をかけて握り、形を整える。柔らかすぎると崩れるが、固く握りすぎると食感が悪くなるので注意。
夏場は手についた黄色ブドウ球菌などの細菌が繁殖する恐れがあるため、衛生上の予防策も兼ね、ラップに包んで握るのもよい。また、プラスチック製の「おにぎりの型」が生活雑貨店等で市販されている。これは、ご飯を詰めるだけで簡単におにぎりの形に仕上がる器具である。
呼び方 - おにぎり
日本国内でも地方によっては、あるいは世帯によっては「おむすび」(御結び)や「握り飯」などと呼ばれる。単に「むすび」や「握り」などと呼ぶケースもある。広島県広島市を中心とする地方では、一般家庭でも外食産業でも「むすび」ないしは「おむすび」と呼ぶ傾向にあるが、無論「おにぎり」でも通じる。「握りまま」(青森県)、「おにんこ」(栃木県)といった方言もある。おむすびというのは、元は御所の女房言葉であった。日本でおにぎりと言えば三角に握ったものというイメージが強く、「おにぎり型」というように三角形をした物のことを指す代名詞としてよく例えられる。余談だが、唯一ロータリーエンジンを製作している広島県の自動車メーカー・マツダは、エンジン内のローターを「おむすび型」と称している。
おにぎりとおむすびの違い
おにぎりとおむすびは、語源・形状ともに異なるという説も存在する。おにぎりとは形を問わず飯を握って作ったものであるが、おむすびとは三角でなければならないというものである。古事記に登場する三柱の神:天之御中主神(あめのみなかぬしのかみ)・高御産巣日神(たかみむすびのかみ)・神産巣日神(かみむすびのかみ)は、天と地が分かれて初めて現れた神様の名前である。この高御産巣日神と神産巣日神に共通の「むすび」(産巣日)という言葉だ。この「むすび」とは天地万物を生み出す神霊、またはその霊妙な力を意味しているという。そして当時の日本人は山を神格化し、その神の力を授かるために米を山型(神の形)をかたどって食べたものがいわゆる「おむすび」の始まりだと言われている。
おにぎりとおむすびの違いは他にも諸説があり、上記とは逆におにぎりは三角型で、おむすびは俵型という説もある。
握り飯またはおにぎりの方が歴史の古いという説もあり、それの女房言葉、もしくは丁寧語としておむすびという説もある。おにぎりは「鬼を切る」という言葉に似ているため、魔よけの効果があるとの説もあり、鬼退治に白飯の握り飯を投げつけたなどの民話もある。また、おむすびは「むすぶ」という言葉に、霊を包み込む、土地を守る産土神(うぶすな)を指すという説もある。
なお、ハワイなど明治期に多くの移民が移り住んだ諸外国では、おにぎりではなく「MUSUBI」という呼称が一般的となっている。これは、広島などおむすびという呼称が優勢である地域の出身者が多かったためであろうとも考えられる。
概要 - おにぎり
元々は米飯の残り飯の保存や携行食として発達したおにぎりであるが、現在主流の作り方では食べやすさを加味し、保存性・携行性を重視しなくなっている。携行食としてのおにぎり
作り方としては、なるべく細菌が繁殖しない状態を維持することがポイントとされ、時間・表面積・温度・湿度が関係する。
■炊き立ての熱いご飯を握る。時間が経ったご飯は細菌(特に毒素排出型細菌の場合)の数が増えており、再加熱したからといって長時間携行するには安心できない。
■なるべく空気に触れる部分を少なくするため、固めに握る。もしくはある程度硬く握った冷却済みのおにぎりに海苔を最初から全面に貼る。現在の市販おにぎりが携行食として不適切なのはこの部分も関係している。
■塩をおにぎりの表面全体に満遍なく付着させる。過剰な塩分や糖分でのコーティングは、細菌繁殖を抑える効果がある。現在の減塩おにぎりでは効果が薄い。
■具材は保存性に優れる物、殺菌作用の強い物が最適である。殺菌作用のある具材を入れたおにぎりは、具材の無いおにぎりより保存性が高まる。
■包装する前に中まで十分に冷却する。冷蔵庫などの冷却では表面が冷えるだけの場合がある。温度を下げることによって、細菌繁殖を抑える効果がある。
■おにぎりから出る湿度で食材表面を湿らせないため、通気性に優れる物か吸水性に優れる物で包装する。湿度が一定以上あると細菌繁殖が活発となる。なるべくおにぎり表面の湿度を下げる。
■保存場所は、冷暗で通気性に優れる場所が最適とされる。
食事としてのおにぎり
現在では色々な場面でおにぎりが食されるようになった。その大部分は携行性より美味しさを求めている。
■口に含んだ食感が柔らかいものが好まれている。
■具材は多種多様なものがある。
■塩分の強いおにぎりは敬遠される傾向にある。昨今の減塩政策と職種で変わる発汗量が関係している。
■海苔は好みで巻かれる。その巻かれ方も各種存在する。